日本秘湯を守る会 大分『寒の地獄温泉』
【宿の玄関口】
先週末に九州大分で祝事があった。祝宴の時間の関係上、2泊する必要が生じた。市内のホテルに連泊するのでは、面白みが無いので大分は飯田高原にある寒の地獄温泉に泊ってきた。この宿も日本秘湯を守る会の会員だ。
いつもの旅同様、空港で車を借り大分自動車道由布院ICで高速を降りて、やまなみハイウェイを走り目的地の宿を目指す。由布院IC手前のPAから見る由布岳は雄大だ。寒の地獄温泉近くには、今が旬とばかりに賑わっている夢の大吊り橋もあるのでついでに立ち寄ってきた。
【帳場前】
目的地の「寒の地獄温泉」は標高1100メートルの飯田高原にある。時ならぬ寒波の襲来もあり九州とはいえ前日には20センチを越える積雪があったそうだが国道や主要道路上の雪は解けていた。
寒の地獄温泉旅館は、やまなみハイウェイ際に建つ、まさに山間の一軒宿だ。開湯は江戸時代まで遡り嘉永2年だ。旅館の創業は大正時代だ。平成12年には建物は全面改装した。
ここの最大の名物は宿の名前に由来する全国でも極めて珍しい冷泉だ。(元来は霊泉と伝えられていた。)この冷泉場だけは改装前の姿を保っている。
【内風呂横の竈で茹卵を食べられる。これが真に美味であった。】
各地に冷泉を謳うぬるめの温泉はあるが、ここのは飛び切り冷たく湯温は一年を通して14度だからそれはそれは冷たい。ただし残念なことに冷泉に入れるのは夏季の7月~9月の期間限定だ。夏でも14度の冷泉に入ると震えが来るらしい。正しい入り方は、冷泉場奥のドラム缶ストーブのある暖房室で30分ほど体を温めて生き返らせたのちに冷泉浴とを交互に繰り返す。宿の敷地内にそれぞれ違う4つの泉質を持つ源泉が有り、泉質は硫黄分を含むものの無色透明だ。
【これは冷泉場。2つある。】
正直なところ冬期間は名物の冷泉に入れないので、いかがななものかな思っていたが、風情と野趣あふれた環境。それと宿の人たちの心のこもったもてなしに大満足。ただし朝食会場の足元は冷たかった・・・
この時期は冷泉を加温した大風呂がメインだ。切石と檜の2つの大風呂は加温してあるものの源泉掛け流しだ。その脇には硫黄の匂いが漂う小さい冷泉風呂もあるので挑戦して見た。この冷泉風呂はやや温度が高めで17度ほどあるとの事だが、肌に伝わる冷たさは、なんとも言えぬものがある。気のせいではなく冷泉浴をすると肌がすべすべつやつやしてきた。他にも家族風呂として3つの内風呂がある。
風呂を出るとすぐ横の竈で宿の主人が火を起こし卵を茹でていた。宿泊者は自由に食べる事ができる。このような非日常的な場面に触れると日本情緒を感じさせられ心が癒される。
【夕食】
夕食は囲炉裏での溶岩焼きだ。豊後牛や地鶏、アマゴという鮎に似た魚の塩焼きやら土地の食材をふんだんに使った献立だ。九州といえば馬刺しが名物なので珍味の馬の鬣も出てきたが、馬乗りの端くれにとっては口に入れることは出来なかった。部屋は、予約を入れ事が遅かったこともあり新館は取れず本館だった。本館は清潔では、あるものの古さを感じる質素な湯治宿といった造りだ。遠くから出かけるならば早めに予約を入れ新館がお勧めだ。
寒の地獄温泉宿 http://www.kannojigoku.jp/
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